ツバルとモルディブにお��る生態系への影響-2020年代

ツバルとモルディブにおける生態系への影響-2020年代

2020年代に入り、地球温暖化の影響はますます深刻化しています。特に南太平洋のツバルやインド洋のモルディブでは、海面上昇が年平均4.0mmを超える勢いで進んでおり、これにより沿岸部の侵食や塩水の浸透が悪化しています。ツバルでは、国連IPCCの報告書に基づき、2030年までに一部の島々が居住不可能になる可能性があると指摘されています。農地の塩害や飲料水の汚染が進行し、住民は深刻な生活環境の変化に直面しています。

モルディブでも観光産業に依存する経済が、この海面上昇により打撃を受けています。特に、リゾート開発が進む一方で、海岸侵食が急速に進行し、沿岸施設の保護コストが増加しています。CO2などの温室効果ガスの排出は、2020年代に入っても減少傾向にはなく、主要排出国であるアメリカと中国は依然として世界の40％以上を占めています。特にアメリカの石炭火力発電所や中国の工業部門がその大部分を占めており、これらの排出量削減が急務となっています。

企業の動きとしては、BPやシェルなどのエネルギー大手が再生可能エネルギー事業へ大幅にシフトしているものの、依然として化石燃料への依存度が高く、効果的な温室効果ガス削減には至っていません。これに対し、2020年代にテスラをはじめとする電気自動車（EV）メーカーや、Vestasなどの風力発電企業が大きな成長を遂げており、脱炭素化に向けた産業の変革が進んでいます。

ツバル政府は、再度アメリカやオーストラリアを国際司法裁判所に提訴する動きを見せており、特にオーストラリアが石炭輸出を続けていることが問題視されています。また、EUでは、温室効果ガス排出量を2030年までに55％削減する目標を掲げ、排出権取引市場の強化や再生可能エネルギーの利用促進が進められています。しかし、これらの取り組みがツバルやモルディブの生態系に間に合うかは不透明な状況です。

2020年代の現状では、温暖化による海面上昇のペースは加速しており、これらの国々の生態系はさらに危機的な状況に陥っています。今後、世界全体での温室効果ガス削減努力が一層求められています。