有機スズ系塗料の全面禁止条約採択 - 2000年1月
1999年11月にロンドンで開催された国際海事機関(IMO)総会において、有機スズ系船底塗料の使用を全面的に禁止する条約が採択されました。この塗料は、船舶の船底に付着する海洋生物を防ぐために使用されていましたが、環境への悪影響が深刻化しており、特に有機スズ化合物であるトリブチルスズ(TBT)が海洋生態系に及ぼす有害性が問題視されています。この条約では、2003年までに新規塗布が禁止され、2008年までに既存船舶からの完全除去が義務付けられました。
トリブチルスズは、低濃度でも海洋生物に深刻な影響を与えることが知られており、特に貝類や甲殻類の繁殖異常が報告されています。これに対し、国際海事機関は早急な対策を求め、各国が同条約に基づいて国内法の整備を進めることを義務付けています。特に、船舶の保有数が多い国々、例えば日本、ノルウェー、アメリカなどが積極的に取り組んでいます。環境に優しい代替塗料の開発も進んでおり、今後の環境負荷低減に向けた技術革新が期待されています。
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