Sunday, September 15, 2024

光触媒環境浄化技術の詳細-2004年3月

光触媒環境浄化技術の詳細-2004年3月

産業技術総合研究所九州センターでは、酸化チタンを使用した光触媒技術を用いた環境浄化技術の開発が進められています。光触媒技術は、光エネルギーを利用して空気中や水中の汚染物質を分解する技術であり、これを実現するために微細中空ガラス球状体やスポンジ構造のセラミックス材料が使用されています。これらの材料は、液体や気体の浄化プロセスを大幅に効率化し、特に工業廃水や大気中の揮発性有機化合物(VOC)の処理に効果的です。

光触媒技術は、福岡県の工業地域や北九州市の産業廃棄物処理プラントで導入が試みられています。酸化チタンは光に反応して強力な酸化力を発揮し、有害物質を分解するため、産業排水や大気汚染の改善に役立っています。特に、北九州市の工場では年間2,000トン以上のVOCが排出されており、光触媒技術を利用することで、これを90%以上削減することが可能となっています。

また、この技術は、酸化チタンを被覆したガラス球状体を液体浄化のためのろ材として利用することにより、浄水場での処理効率を高めることにも成功しています。さらに、スポンジ構造のセラミックス材料は、広範囲の表面積を持つため、空気清浄機や換気システムのフィルターとしても応用され、室内環境の浄化にも貢献しています。

産業技術総合研究所は、フランスの研究機関「CEA」との共同研究も進めており、ヨーロッパ市場への技術輸出も視野に入れています。この技術の拡大により、日本国内だけでなく、国際的な環境浄化市場での応用が期待されており、特に工業廃棄物処理や大気汚染対策の分野でさらなる成果が期待されています。

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