南極ラルセン棚氷の崩壊-1998年5月
1998年、アメリカ・コロラド大学の研究チームが発表した報告によると、南極のラルセンA棚氷が温暖化の影響により崩壊を始めていることが確認されました。この崩壊は地球規模の温暖化の進行を示す深刻な事例として注目されています。特に、1995年から1998年にかけて、ラルセンA棚氷の約200平方キロメートルが崩壊し、さらに1万2,000平方キロメートルにわたる棚氷の崩壊が進む可能性が指摘されています。
ラルセン棚氷は、南極半島の北端に位置し、通常は非常に安定した状態で存在していましたが、1990年代後半から急激に崩壊が進行しています。この崩壊の要因は、地球全体の温暖化による南極地域の気温上昇にあります。特に、棚氷の下部にある海水が温度上昇により暖まり、氷が急速に融解しています。
ラルセンA棚氷の崩壊が引き起こす問題として、海面上昇の加速が懸念されています。特に、ラルセン棚氷全体が崩壊することで、南極の氷河から大量の氷が海洋に流れ込み、今後数十年で数十センチメートルの海面上昇が起こる可能性があります。これは、地球全体の沿岸都市に大きな影響を及ぼし、洪水リスクの増加や土地の消失につながる恐れがあります。
この棚氷崩壊の影響は、地球全体の環境に広がり、温暖化対策の重要性が強調される要因となっています。専門家は、さらに大規模な崩壊が続く可能性があるとして、引き続き棚氷の動向を監視しています。
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