Monday, October 7, 2024

中国と与那国島におけるCO2濃度の地域差 - 2020年代

中国と与那国島におけるCO2濃度の地域差 - 2020年代

2020年代においても、中国からのCO2排出が日本の与那国島や波照間島の大気に大きな影響を与えています。与那国島(沖縄県)は中国大陸から約111km離れており、特に冬季には東アジアの季節風により大陸からの風が流れ込みます。このため、中国の石炭燃焼による排出ガスが島に到達し、大気中のCO2濃度が上昇することが確認されています。

2020年のCOVID-19パンデミック時には、中国でのロックダウンによる産業活動の停止によりCO2排出が一時的に32%減少しましたが、その後、経済活動が再開されると再び排出量が急増しました。2021年には、石炭を使用した発電所がフル稼働し、中国全体での石炭によるCO2排出量は15.3ギガトンに達し、2014年のピークを超える水準となりました。特に江蘇省の南通港では、石炭の輸送と消費が増加しており、発電やセメント製造が急速に拡大しています。

与那国島や波照間島では、中国本土からの風によって運ばれるCO2やメタンの濃度が観測されており、これは中国の化石燃料による排出量の評価に利用されています。この観測データにより、中国での排出削減状況をリアルタイムで監視し、特に産業活動や電力需要がCO2排出にどのように影響を与えるかが明らかになっています。

中国では、石炭の使用が短期間で増減し、例えば極端な気候条件や経済の急速な回復期には、電力需要に応じて石炭の消費が急増することがあり、その結果、CO2排出が記録的なレベルに達することがあります。

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