Tuesday, March 4, 2025

泥の変革—福岡県の下水汚泥処理技術革新 - 1998年3月

泥の変革—福岡県の下水汚泥処理技術革新 - 1998年3月

福岡県では、麻生セメント(飯塚市)とプロレックス(福岡市)が協力し、新たな下水汚泥処理技術「湯温減圧式乾燥技術」を開発し、実用化に成功した。この技術は、汚泥と廃油を混合し、熱を加えて乾燥することで、汚泥をセメント工場の助燃材や肥料として再利用可能にするものである。この取り組みは全国初の試みであり、建設省の新技術活用モデル事業としても採択されている。

この技術の導入により、下水汚泥の処理効率が向上し、環境負荷の軽減が期待されている。また、セメント製造過程での助燃材としての利用は、化石燃料の使用削減にも寄与する。福岡県はこの技術の実証実験を進め、効果が確認されたことから、今後の本格導入を目指している。

さらに、福岡県内では、九州高圧コンクリート工業株式会社(福岡市南区)など、多くの企業がセメント製品の製造やリサイクル技術の開発に取り組んでいる。これらの企業の連携により、地域全体での資源循環型社会の構築が推進されている。

このような取り組みは、他の自治体や企業にも波及し、全国的な下水汚泥処理技術の向上と環境保全に貢献することが期待されている。

関連情報
- 建設省新技術活用モデル事業
 建設省が、環境負荷低減や資源の有効活用を目的に、全国の自治体や企業が開発する新技術を評価し、支援する事業。福岡県の取り組みもこれに採択されている。
- 九州高圧コンクリート工業株式会社(福岡市南区)
 福岡県内でセメント製造とリサイクル技術を推進する企業。セメント製品の製造に加え、環境負荷の低減を目指したリサイクル技術の開発を進めている。
- 全国の下水汚泥処理技術の現状
 各自治体で進められている下水汚泥のリサイクル技術として、セメント原料化やバイオ燃料化などがあり、福岡県の技術もその一環として注目されている。

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