Sunday, March 23, 2025

廃プラスチック高炉原料化による広域リサイクルモデルの試算発表 - 2001年3月

廃プラスチック高炉原料化による広域リサイクルモデルの試算発表 - 2001年3月

中国経済産業局は、瀬戸内海沿岸地域で発生する産業廃棄物、特に廃プラスチック(廃プラ)を対象とした再利用可能性について中間試算を発表した。その結果、年間100万トンを超える廃プラを、同地域内の製鉄所の高炉で原料として再利用できる可能性があるとされた。

この試算では、廃プラの処理における「高炉原料化」という手法が採用されており、これはすでにJFEスチール(旧・日本鋼管)が1996年より実用化している技術と同様のものである。この技術では、廃プラスチックを溶融・脱塩素処理し、微粉末にして高炉内でコークスの代替還元材として使用することで、CO₂排出量削減にも寄与している。

また、水島臨海工業地帯(岡山県倉敷市)では、地域の産業と連携して、同様に高炉での廃プラ利用が進められており、瀬戸内海沿岸地域における「広域的再資源化モデル」の先進事例となっている。

さらに、中国経済産業局は内航船による輸送実験も視野に入れ、他の中央省庁や自治体と連携を進めており、自治体単位では実現困難な廃棄物の効率的処理と再資源化の仕組み構築を目指している。

この取り組みの特徴は次のとおりです:

- 広域的リサイクル:複数県をまたぐ再資源化は全国的にも珍しい。
- 高炉原料化の本格活用:従来の焼却・埋立ではなく、鉄鋼産業との高度な連携。
- 輸送手段としての内航船活用:CO₂排出の少ない物流インフラを採用。
- 官民連携モデルの萌芽:国・地方・産業界が一体となった新しい資源循環モデル。

このような事例は、単なるごみ処理ではなく、資源循環型社会を構築するための実践的なステップであり、日本の環境政策における転換点と位置づけられます。

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