Monday, March 3, 2025

窯業の町が生んだ環境技術 - 岐阜県土岐郡の無焼成レンガ事業 - 2001年4月

窯業の町が生んだ環境技術 - 岐阜県土岐郡の無焼成レンガ事業 - 2001年4月

岐阜県土岐郡の亀井製陶は、環境負荷の少ない無焼成レンガ「アーザンブリックス」を開発した。このレンガは、焼成工程を必要とせず、低コストかつ環境に優しい製造方法を実現している。製造には、下水汚泥焼却灰や石炭火力発電所のフライアッシュ、ガラス原料の採掘くず、土地造成で発生する山土の残渣など、各種廃棄物を80%以上使用。これらを独自の技術で混練し、特殊固化剤を加えて成形することで、焼成なしでも高い強度を確保している。

この無焼成レンガは、吸水性に優れ、歩道や庭園の敷材として利用されている。特に、価格面での優位性が大きく、店頭販売価格は1個90円程度と既存のレンガよりも安価である。これにより、環境負荷低減だけでなく、コスト削減の面でも高い評価を得ている。現在、この技術の普及を目指し、亀井製陶ではフランチャイズ方式で全国展開を進めており、すでに複数の自治体や建設業者が導入を検討している。土岐郡は伝統的な窯業の町として知られているが、その技術を活かし、新たな環境事業を創出することで、持続可能な地域産業の発展にも貢献している。

関連情報

亀井製陶は、特殊固化技術を活用した安全かつ高品質な無焼成エコレンガの製造を行っており、環境負荷の低減を目指している。また、無焼成エコレンガの製造工程では、原料の80%以上が再生資源であり、無焼成・無排水・無廃棄生産の方針のもとで生産されている。さらに、インドにおいてもCO2削減を目的とした無焼成フライアッシュレンガの研究が進められており、フライアッシュを多量使用することで、無焼成製法における長期耐水性と圧縮強度の影響について検討されている。

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