再生土壌の未来 - 千葉県佐倉市の培養土事業 - 2001年4月
千葉県佐倉市では、スミリン農産工業と共同で「佐倉市飯野培養土センター」を設立し、浄水場の浄水過程で発生する土を原料にした人工培養土の製造を進めています。このプロジェクトは、不要となった土壌を有効活用し、環境負荷を軽減することを目的としています。
培養土の製造では、県内産のもみ殻や有機性汚泥、動植物性残渣(おからなど)を発酵させ、改良材として混ぜ込むことで、肥沃な土壌を作り出しています。特に、土壌改良材「モミライト」は、保水性と通気性に優れた構造を持ち、農業用の基盤材として高い評価を受けています。さらに、プランター用の「ベストソイルP」や、緑化基盤材としての「ベストソイルF」など、多用途に対応する製品ラインナップが用意されています。
これらの培養土製品は、地域の造園業者や農業生産者に供給されるだけでなく、市民向けにも販売され、都市緑化や家庭菜園の普及にも寄与しています。製品の価格は30リットル入りで1000円程度と、従来の培養土と比較して手頃な価格設定となっています。
この事業の背景には、埋立地の逼迫や最終処分場の管理問題があります。佐倉市のこの取り組みは、持続可能な資源循環モデルの一環として、他の自治体にも波及する可能性があります。今後、さらなる改良が進められ、より多くの分野で活用されることが期待されています。
### 関連情報
1. **住友林業「環境・社会報告書2008」**
- スミリン農産工業株式会社佐倉工場では、肥料生産時に原料である浄水場発生土の処理を行い、農園芸用培養土「土太郎」を生産しています。千葉県では、県企業庁と共同で培養土事業を行い、農園芸用培養土の「ちば土太郎」や公共緑化用培養土の「ふさ太郎」の販売促進により、地産地消に貢献しています。
2. **佐倉市におけるバイオ炭の活用**
- 佐倉市は、農研機構の実証実験に協力し、未利用バイオマスを活用した「Sakura-NAROバイオ炭プロジェクト」を開始しています。これは、脱炭素社会の実現および農業振興を目指す取り組みです。
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