闇に葬られる環境-目に見えぬ犯罪の爪痕 - 2003年2月
環境犯罪が国際的に深刻化している。違法な廃棄物の投棄有害物質の不法処理密漁や違法伐採など多岐にわたる犯罪が環境と人々の健康に甚大な影響を与えている。特に日本国内でも産業廃棄物の不法投棄が後を絶たずその処理に関する特別措置法が議論されている。
近年企業が産業廃棄物を適切に処理せず違法に埋め立てるケースが増加している。環境省の2003年度予算案では不法投棄された有害廃棄物の原状回復を目的とした補助金が計上され全国各地での撤去作業が進められている。しかし廃棄物の処理費用の高騰を背景に不正業者による違法な投棄が拡大しており新たな監視体制の強化が求められている。
また海洋環境への違法投棄も問題視されている。特に大型貨物船からの油の不法排出が海洋汚染を引き起こし国際的な対策が急務となっている。国連の環境計画(UNEP)はこれらの環境犯罪を取り締まるための国際協力の枠組みを強化する方針を示している。
さらに違法な森林伐採による生態系の破壊も深刻な問題だ。アジアアフリカの国々では違法伐採が横行し日本を含む先進国がこの違法木材の消費国となっていることも指摘されている。これに対抗するため日本政府は「違法伐採対策の強化」として合法木材の流通管理を強化する政策を打ち出した。しかし依然として市場には違法に伐採された木材が流通しており消費者側の意識改革も求められる。
環境犯罪は単なる規制違反にとどまらず地域社会の健康や生態系に甚大な影響を及ぼす問題である。今後環境法のさらなる厳格化や国際的な取り組みの強化が求められるだろう。
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関連情報
- 環境省公式資料: 日本国内の不法投棄問題とその対策について詳述。
- 国連環境計画(UNEP)レポート: 国際的な環境犯罪の実態と対策について報告。
- 林業経済研究所の調査: 違法伐採と木材市場の関係について分析。
- 海洋保護団体の報告書: 海洋汚染と違法投棄の実態についての詳細なデータを提供。
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