滋賀県での土壌汚染調査市場の拡大 - 2003年2月

滋賀県での土壌汚染調査市場の拡大 - 2003年2月

土壌汚染の簡易リスク調査市場が2003年に入り活発化している。最大の要因は、2003年2月15日に施行された土壌汚染対策法の影響である。この法律では、有害物質を使用していた工場敷地が対象となり、用地転換時に土壌汚染の調査が義務付けられた。これにより、全国的に土壌汚染に対する関心が高まり、土地価格下落のリスクも注目されるようになった。

この動きに伴い、滋賀県の企業が米国の簡易診断技術を導入し、デベロッパーや不動産流通業者、金融機関、不動産鑑定士事務所向けに土壌汚染リスク調査のサービスを展開している。この技術では、地歴調査やヒアリングによる簡易診断を行い、低価格での調査が可能となることが特徴だ。

また、三菱マテリアル資源開発と三井不動産販売が提携し、三井不動産販売が取り扱う事業用不動産の調査や、詳細なデュー・デリジェンス調査（不動産の詳細調査）で協力体制を強化している。これにより、不動産取引における土壌汚染リスクの管理が進められる。

2003年に入り、さらに新規参入が増加しており、東京都千代田区の企業などが1サイト4万円前後の低価格で簡易調査サービスを提供し始めた。これにより、企業や不動産業者の間での需要が高まっている。加えて、大手ゼネコンでは、浄化事業を展開し、金融機関との提携を進めるなど、土壌汚染市場が急成長している。

この市場拡大の背景には、2005年度から導入予定の減損会計制度がある。この制度では、土地価格の下落リスクが財務評価に直接影響するため、土壌汚染リスクの調査が不可欠となる。このため、全国の銀行や不動産会社が、滋賀県の簡易診断技術を活用し、迅速なリスク評価を行う動きが加速している。