### 凍原に吠えた獅子 石間春夫と誠友会の幻影(1930〜1990)
北海道長沼町に生まれた石間春夫は、柳川組北海道支部長を経て、1977年に誠友会を創設し初代会長に就任。武闘派で知られた彼は「北海のライオン」と称され、1985年に山口組直参となり北海道での影響力を確固たるものにした。誠友会は賭博や不動産利権を背景に、道内に広く展開し、山口組との接続によって道内抗争の調停役も果たした。彼と親しかった人物には、五代目山口組組長渡辺芳則や宅見勝、舎弟の田村武志らがいた。だが1990年、札幌市で右翼団体の凶弾に倒れ、その生涯は59年で閉じられた。彼の死は北海道の裏社会に深い爪痕を残し、以後の秩序形成に影響を及ぼした。柳川組の在日系人脈と、北海道という辺境における組織の統率力が交差したとき、そこにひとりの獅子が生まれたのである。
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