新宿で酒を飲みながら、私は迷っていた。試験なんて、本当に意味があるんだろうか?上智大学の受験が目前に迫っているというのに、私の心はどこか浮ついていて、現実感がない。受験なんて茶番だって思いながらも、どうしてもその枠組みから逃れられない自分がいる。街の喧騒が、そんな私の心の中をかき乱すんだ。
その後、ふらっと本屋に立ち寄って、『螢雷時代』の受験必勝号を手に取った。なんて滑稽だろうと思いながらも、目の前の記事に目が釘付けになる。「直前10日間の作戦」なんていう特集を読んで、もしかしたらまだ間に合うかもしれないなんて、淡い希望を抱いてしまう。いや、何を期待しているんだ、私は。
新宿のビルの窓が、無数の小さな枠に見えてくる。それが私の未来なのか、それともただの幻なのか。街の明るいネオンと、私の頭の中の混沌が交差する。酒の酔いが回る中で、ふと「試験当日はどんな気持ちで迎えるんだろう」と思ってしまうんだ。
上智大学――名前だけでも威圧感を覚えるけれど、その名前が私を動かす力になっているのかもしれない。新宿って、どうしてこんなに私の心を映すんだろう。明るいのに寂しくて、賑やかなのにどこか冷たい。その場所にいる私自身も、同じように矛盾だらけなのかもしれない。
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