Wednesday, May 28, 2025

「日本近海のPCB、DDT汚染の実態」-1998年5月15日

「日本近海のPCB、DDT汚染の実態」-1998年5月15日

愛媛大学の研究により、日本近海で捕獲されたシャチやゴンドウクジラから高濃度のPCB(ポリ塩化ビフェニル)やDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)が検出されました。これらの化学物質は、過去に広く使用されていたものの、その有害性から製造・使用が禁止されています。しかし、これらの物質は自然環境中で分解されにくく、長期間にわたり環境中に残留します。

PCBは電気機器の絶縁油や熱交換器の冷却液などに使用されていましたが、環境中に放出されると生態系に悪影響を与え、特に海洋生物に蓄積されやすい性質があります。DDTは農薬として広く使用されましたが、その強い毒性から食物連鎖を通じて生物に蓄積し、人間を含む多くの生物に深刻な健康被害をもたらすことが分かっています。

研究によれば、これらの化学物質が検出された原因は、アジア途上国における不適切な廃棄や管理が主な要因とされています。これにより、日本近海の海洋生物が汚染され、特に食物連鎖の上位に位置するシャチやゴンドウクジラに高濃度で蓄積されていることが確認されました。

この汚染は、海洋生態系全体に深刻な影響を与えると懸念されており、国際的な協力による対策が求められています。日本政府も、この問題に対して迅速かつ効果的な対応を行うことが求められています。また、消費者に対しても、海産物の安全性に関する情報提供が重要となります。

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