Tuesday, July 1, 2025

グリーン調達は本気か、社内の本音と建前を問う ― 三洋電機とグリーン購入ネットワークの座談会(2006年9月)

グリーン調達は本気か、社内の本音と建前を問う ― 三洋電機とグリーン購入ネットワークの座談会(2006年9月)

2006年、環境経営やCSR(企業の社会的責任)が日本企業の戦略の中核に組み込まれつつある時代。京都議定書の発効や循環型社会形成推進基本法の施行により、企業活動における環境配慮が強く求められていた。しかしその一方で、現場では「理想」と「現実」のギャップが顕在化していた。

本座談会では、三洋電機の環境本部とグリーン購入ネットワーク(GPN)の関係者が一堂に会し、グリーン調達の現実を率直に語り合った。環境部門が掲げる高い目標に対し、調達部門は「コストと納期」という現実的な条件に直面し、理念の実現が難しい実態が浮かび上がる。「環境配慮部品は高すぎて使えない」「調達現場では環境よりも価格」といった声がリアルに紹介され、企業内の温度差があらわになった。

一方、GPN側は、判断基準の明確化や環境ラベルの導入など、情報基盤の整備が企業の意思決定を支える鍵であると訴える。トップの関与や部門間の協力体制がなければ、グリーン調達は単なる看板に終わるとの指摘もなされた。

この座談会は、CSRがまだ試行錯誤の段階にあった当時の企業現場のリアルを描き出し、理念と実践の間で揺れる企業人たちの葛藤と希望が交錯する貴重な記録である。

No comments:

Post a Comment