Thursday, October 2, 2025

すみかの喪失―熱帯林伐採と人間活動が生んだ縮図―1970年代から21世紀

すみかの喪失―熱帯林伐採と人間活動が生んだ縮図―1970年代から21世紀

熱帯林の伐採は20世紀後半から加速し、21世紀にはさらに拡大した。東南アジア、とりわけインドネシアやマレーシアではパーム油需要が森林破壊の最大要因となり、ボルネオやスマトラの森はプランテーションへと転換された。これによりオランウータンやスマトラトラなど大型哺乳類は生息地を奪われ絶滅の危機に直面した。森林は分断され、個体群は縮小と孤立を強いられた。背景には1970年代以降の緑の革命や国際市場の拡大があり、植物油や牛肉、紙パルプ需要の急増が森林を「資源」として消費した。1980年代以降、世界銀行やIMFの開発融資も森林伐採を伴う農業拡張を促した。さらに欧米諸国によるバイオ燃料利用は逆説的に熱帯林破壊を加速させた。一方、イングランドでも20世紀の農業機械化と化学肥料の普及で草地が�
��え、昆虫や鳥類の生息域が縮小した。すみかの喪失は熱帯に限らず温帯の農村にも及び、人類が生活基盤を優先するあまり多様性を失わせてきた歴史を示す。失われた生息地は容易に戻らず、それは人間社会自身の未来をも脅かしている。

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