Sunday, December 28, 2025

神奈川県川崎市 ペットリバースの試運転 都市型ケミカルリサイクルの模索 2000年代前半

神奈川県川崎市 ペットリバースの試運転 都市型ケミカルリサイクルの模索 2000年代前半
神奈川県川崎市でペットリバースによるPETボトルのケミカルリサイクル工場が試運転を開始したことは、日本のリサイクル政策が地方集約型から都市内循環型へと射程を広げ始めた段階を示す動きであった。

2000年代初頭、日本では容器包装リサイクル法の運用が定着し、PETボトル回収量は全国的に急増していた。一方で、マテリアルリサイクル中心の体制では、着色ボトルや多層ボトルといった規格外品の扱いが難しく、回収量の増加そのものが新たな課題を生みつつあった。品質劣化を避けられないリサイクル製品は、用途が繊維やシートに限定され、飲料用ボトルへの再利用は依然として困難だった。

こうした状況の中で、新日本石油などが出資するペットリバースは、PETを化学的に分解し、飲料用樹脂として再生する都市型ケミカルリサイクル構想を掲げた。年間27500トンという処理能力は地方の大規模集約型施設より小さいが、都市部から発生する使用済みボトルを都市部で循環させる点に明確な意義があった。

川崎市は臨海部に石油化学コンビナートを抱え、原料供給、エネルギー、物流の集積度が高い都市である。回収、輸送、再生を一体化させるモデルは、輸送コストや環境負荷低減の観点からも注目された。特に着色ボトルや多層ボトルにも対応できる点は、回収制度の現実に即した技術として評価された。

一方で、化学的リサイクルは設備投資や運転コストが高く、制度上の評価や採算性には不確実性が残っていた。川崎市での試運転は、量の処理から質と循環経路の設計へと発想を転換する過渡期の実験であり、後の循環型都市政策へとつながる重要な試みであった。

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