Tuesday, October 28, 2025

青い部屋族―1970年代・原宿に咲いた前衛の花(1974年12月)

青い部屋族―1970年代・原宿に咲いた前衛の花(1974年12月)

1970年代初頭の東京・原宿は、戦後復興の熱気を一段落させ、商業と文化がせめぎ合う特異な都市空間へと変貌していた。そこに忽然と現れたのが、いわゆる「青い部屋族」と呼ばれる若者たちである。まだ竹の子族やローラー族といった派手なサブカルチャーが生まれる以前、彼らは都市の歩道や公園、表参道の石畳を舞台に、詩の朗読や即興の演劇、無言のパフォーマンスなどを繰り広げていた。

彼らの表現は、寺山修司の前衛演劇「天井桟敷」や、アングラ文化の系譜に強く連なっている。だが舞台装置や照明、観客という枠組みをも打破し、都市そのものをステージに変え、通りすがる人々との偶然の接触をアートに転化していった点で、路上版のアングラとも言える独自の様式を持っていた。メディアにはほとんど記録されず、儚く散ったこのムーブメントは、若者たちの都市への違和感と、既成の秩序への反発が生んだ、ある種の詩的抵抗だった。

当時の原宿は、戦後の米軍住宅地「ワシントンハイツ」跡地に開かれた代々木公園や、進駐軍文化の名残を残す表参道沿いのブティック群が拡がり、アメリカ文化と日本的都市の狭間に揺れていた。青い部屋族の出現は、そうした過渡期の都市に生まれた「場所の裂け目」を埋めるように、ひそやかな文化の胚芽として現れたものだった。彼らの行動は、1970年代における都市と若者の関係性、さらには芸術と公共空間の境界線そのものに問いを投げかけていた。

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