Wednesday, February 26, 2025

柳川組・抗争の最中の会���(1960年代半ば)

柳川組・抗争の最中の会話(1960年代半ば)
―― 大阪・西成のしきば(事務所)にて

組員 A: 「親分、向こうがまた動いとります。昨日の晩、新世界の飲み屋でうちのワカ(若い衆)がひっかけられました。向こうはこっちをナメとるみたいですわ。」

柳川次郎: 「ほうか。それで、そいつはどうした?」

組員 B: 「向こうが先に手ぇ(暴力)出してきたんで、こっちもアテ(攻撃)ました。うちのも病院に運ばれとるのがおるけど、向こうの方が一人ねんね(重傷・死亡)やいう話です。」

柳川次郎: 「……余計なことはすんな言うたやろ。今はまだ時(タイミング)やない。ここで派手にやったら、サツ(警察)の締め付けがもっとキツなる。」

組員 A: 「せやけど、親分。このままやとナメられます。向こうは鬼頭の若造(若頭)が仕切っとるらしいですわ。」

柳川次郎: 「……ふん。あいつか。ええか、今のうちはケツ(手を出すこと)浮かすな。向こうがどう出るか見極める。」

組員 B: 「でも、このまま黙っとったら……」

柳川次郎: 「お前らな、大事なんは"勝つこと"やのうて"シノギ(稼ぎと生き残り)"や。イチかバチか(無謀な勝負)の戦はアホがやることや。ここで熱うなったら、こっちがワリ(損)や。わしがええと言うまでは勝手に動くな。ええな?」

組員 A: 「……わかりました、親分。」

柳川次郎: 「それと、新世界の若い衆には、こっちの気持ちはちゃんと伝えとけ。"柳川はケツまくった(逃げた)"なんて思わせたらあかん。やる時は一気にやる。そん時までグズ(我慢)しとけ。」

組員たちは静かにうなずいた。柳川次郎は煙草に火をつけ、じっと灰皿を見つめながら、次のネタ(策)を考えていた――。

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