Friday, February 28, 2025

荒瀬ダム撤去と村民の声 - 2003年1月

荒瀬ダム撤去と村民の声 - 2003年1月

熊本県八代郡坂本村に位置する県営荒瀬ダムの撤去を巡り、村民の間でさまざまな意見が交わされている。熊本県知事は、国の水利権が期限を迎える2003年3月31日まで更新し、その後速やかに撤去作業に入る方針を表明した。この決定により、球磨川の環境回復や水質改善が期待される一方で、ダム撤去に伴う経済的影響も懸念されている。

特に坂本村の住民からは「自然環境の悪化により漁業が壊滅的な打撃を受けた」との切実な声が上がっている。ダム建設以降、球磨川の生態系は大きく変化し、漁獲量の減少が続いていた。このため、村民の一部は撤去を歓迎しており、川の再生による漁業や観光の活性化を期待している。

一方で、ダム撤去による財政的負担も大きな課題とされている。撤去後の治水対策や発電機能の代替手段が必要になるため、県や国の支援が不可欠との意見も強い。また、ダムの運用に依存してきた地元経済への影響について懸念する声もあり、撤去後の地域振興策が求められている。

この問題は熊本県内外にも影響を及ぼす可能性があり、他のダム撤去事例と比較されながら、全国的な議論の対象となっている。

関連情報
- 熊本県弁護士会の報告によると、2002年8月の意見交換会で「八代海域の環境悪化には既存ダムの影響が大きい」として撤去を求める声が相次いだ【出典: 熊本県弁護士会】
- 2002年9月、坂本村議会は全会一致でダム継続停止を求める意見書を可決し、国と熊本県に提出【出典: 熊本県弁護士会】
- 撤去後の地域振興策や環境対策について、住民や関係者との協議が求められている【出典: 熊本県弁護士会】

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