「煙の影響、揺れる町」―所沢市ダイオキシン問題と焼却炉規制強化 - 1999年6月
埼玉県所沢市の産業廃棄物処理場におけるダイオキシン問題が深刻化した。特に、焼却炉から排出されるダイオキシンが周辺の大気や農作物に影響を与え、市民の健康不安が高まった。1997年には、市内の焼却施設から高濃度のダイオキシンが検出され、所沢市は「ダイオキシン類等の汚染防止に関する条例」を制定し、焼却炉の規制を強化した。
この条例では、廃棄物焼却炉の規模に応じてダイオキシン類の排出基準を厳しく定め、小規模焼却炉に対しても排出基準や構造・維持管理の基準を設けた。施行後、各施設の処理設備が高度化され、ダイオキシン類の排出量が大幅に低減された。さらに、所沢市は家庭用小型焼却炉の無料回収や事業所用小型焼却炉の撤去を推進し、焼却施設数そのものの減少を図った。これにより、1996年度末時点であった焼却炉の数が大幅に削減された。
また、埼玉県全体でもダイオキシン類の排出削減に向けた総合的な対策が進められ、2002年度には県内のダイオキシン類排出量が1997年度に比べて約92%削減された。これらの取り組みは、ダイオキシン問題が社会的に大きな関心を集める契機となり、日本の環境政策に大きな影響を与えた。
**関連情報:**
- **所沢市公式サイト**：「ダイオキシン類等の汚染防止に関する条例」
- **所沢市公式サイト**：「ダイオキシン類対策年表」
- **埼玉県公式サイト**：「ダイオキシン類排出量削減対策」
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