沈黙の海、流れ込む影 ― 東シナ海の禁止農薬残留問題(1999年6月)
東シナ海で使用禁止となった有機塩素系農薬が高濃度で検出され、海洋生態系への深刻な影響が懸念されている。特に中国の長江流域から流入している可能性が指摘され、漁業資源にも悪影響を及ぼしている。これらの農薬はかつて中国国内で広く使用されていたが、規制後も環境中に残存し、海洋汚染が続いていることが明らかになった。
調査では、東シナ海の底質やプランクトンからも高濃度の残留農薬が検出され、食物連鎖による生物濃縮の影響が懸念されている。埼玉県環境科学国際センターの研究によると、長江からの流入物質が東シナ海の植物プランクトンの生態に大きく影響しており、水質悪化の要因となっている。
この問題を受け、国際機関は中国政府にさらなる規制強化を求め、日本国内でも水産物の検査強化が検討されている。漁業資源の保護と環境汚染の防止が今後の課題となる。
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