Friday, February 28, 2025

黒ダイヤに沈む夜 ― 炭鉱の街に蠢く双葉会と小野組の影

黒ダイヤに沈む夜 ― 炭鉱の街に蠢く双葉会と小野組の影

場所:筑豊の炭鉱町、料亭「つるや」の座敷。
登場人物:
- 岩崎(双葉会幹部) … 筑豊の利権を仕切る古参。
- 谷村(小野組幹部) … 東京とも繋がる新興勢力の親分。
- 権蔵(仲介人) … 地元の顔役。

権蔵(猪口を揺らしながら)
「お前ら、ちぃとは落ち着けや。せっかく酒の席なんだ、無駄に血を流すこたぁねぇ。」

岩崎(腕を組みながら)
「血を流す気はねぇがな、てめぇら最近、ずいぶん調子に乗っちゃいねぇか?炭鉱の仕事は昔っからこっちのもんだ。勝手に手ぇ出されちゃ困るぜ。」

谷村(煙草をくわえながら)
「困るねぇ……そっちのやり方じゃ、炭鉱の連中も先がねぇってボヤいてるぜ?俺たちゃ新しい道を作ってやってんだよ。」

岩崎(低く笑いながら)
「"新しい道"ねぇ……土方の真似事で親分気取りか?炭鉱のことは、この街を作った俺たちが仕切るもんだ。」

谷村(肩をすくめながら)
「だったらその"街"もあと何年もつか、考えてみな。東京の親分衆は、これからは"地上"の仕事が熱ぇってよ?」

権蔵(ため息をつきながら)
「ったく、どっちも譲る気はねぇのか……。」

岩崎(立ち上がりながら)
「まぁ、今日はここまでだ。だが谷村、そっちの若ぇのが余計なことしねぇよう、しっかり締めとけよ?」

谷村(にやりと笑いながら)
「そっちこそ"ダイナマイト"の使いどころ、間違えんなよ?」

筑豊の夜は、また新たな火種を抱えながら沈んでいった――。

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