ケナフが拓く未来 - キャノン販売の非木材紙開発 - 1998年2月
キャノン販売は、森林資源の保護とリサイクルの促進を目的として、非木材紙であるケナフを活用したOA用紙の開発を進めています。ケナフは東南アジアやアフリカなどで栽培されるアオイ科ハイビスカス属の植物で、成長が早く、半年程度で収穫可能なため、安定供給が期待できる製紙原料として注目されています。
キャノンは製紙メーカーとの共同開発により、世界初の高品質なコピー用ケナフ紙の実用化に成功しました。このケナフ紙は、ケナフに加えて再生パルプを40%配合し、従来の上質紙並みの高画質・高品質を実現しています。
ケナフ紙の特徴として、通常のコピー機やプリンターでの使用に適しており、従来の紙と同様の品質を維持しながら環境負荷を軽減できる点が挙げられます。また、リサイクル性が高く、古紙回収の促進にも寄与するため、循環型社会の実現に向けた重要な技術とされています。
さらに、キャノン販売は環境意識の高い企業と協力し、ケナフ紙の普及を図るキャンペーンを展開しています。社内での使用率を高める取り組みを進めるとともに、環境関連イベントなどでケナフ紙の利点を広くPRしています。将来的には、公共機関や教育機関への導入を視野に入れ、持続可能な紙資源の利用を推進する計画です。
関連情報:
ケナフをはじめとする非木材紙の普及を目的として、NPO法人非木材グリーン協会が設立されています。同協会は、地球温暖化防止や森林資源の節約、CO₂の吸収源である非木材植物を使用した紙・紙製品の普及・開発を推進しています。非木材グリーンマーク表示制度を通じて、非木材植物を使用した製品の認定と普及活動を行っています。
また、ケナフやバガスなどの非木材紙は、森林資源の保護やCO₂の吸収といった環境面での利点があり、紙の原料として注目されています。特にケナフは成長が早く、半年程度で収穫できるため、持続可能な資源として期待されています。
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