Monday, March 3, 2025

生分解性プラスチックの未来を拓くカーギル・ダウ社 - 2002年8月

生分解性プラスチックの未来を拓くカーギル・ダウ社 - 2002年8月

米国のカーギル・ダウ社は、生分解性プラスチック「NatureWorks PLA」の製造を本格化させ、業界最大規模の工場を完成させた。このプラスチックは、トウモロコシ由来の乳酸を発酵させて製造され、自然環境下で分解される特性を持つ。従来の石油由来プラスチックに代わる環境負荷の低い素材として注目されており、特に食品パッケージや繊維製品の分野で採用が進んでいる。

NatureWorks PLAの最大の特長は、使用後に堆肥化施設や土壌環境下で分解されることにある。通常のプラスチックは分解に数百年を要するが、この素材は数ヶ月から1年程度で生分解が進む。そのため、廃棄物処理問題の軽減や、資源循環型社会の実現に貢献すると期待されている。さらに、CO₂排出量の削減にも寄与し、ライフサイクル全体での環境負荷低減が可能となる。

カーギル・ダウ社は、大手食品メーカーやパッケージング企業と提携し、NatureWorks PLAの普及を加速させている。特に、米国内ではスーパーマーケットの包装材やファストフード業界での導入が進み、ヨーロッパや日本でも市場拡大が見込まれている。加えて、衣料品や繊維製品にも応用され、環境配慮型の素材としてファッション業界でも注目を集めている。

今後、カーギル・ダウ社は生産規模のさらなる拡大と技術改良を進め、生分解性プラスチック市場のリーダーとしての地位を確立することを目指している。環境問題への意識が高まる中、同社の技術は持続可能な社会の実現に向けた重要な鍵となるだろう。

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