消えゆかぬ秩序 エントロピーと生命理解 1900-2025
ベルクソンは、生命を単なる物質の秩序ではなく、「生成と流れ」によって捉えた。生命は熱力学の法則に従う一方で、エネルギーを蓄積し、秩序を再構成し続ける存在である。エントロピーが増大する中でも、生命は自己の内部で意味と形を生み出し続ける。彼は「否定」や「無」という概念が誤って理解されていると指摘し、生命の本質は不可逆な時間の流れと情報の痕跡にあると考えた。生命は秩序を抗う存在ではなく、混沌の中から意味ある形を織り上げる存在である。その見解は、後の情報理論や複雑系科学の先取りとも言える。生命とは、散らばりながらも全体を構築し直す「記憶的な運動体」であり、エントロピーの中に秩序と意味を生み出す力そのものなのだ。
No comments:
Post a Comment