Tuesday, October 28, 2025

データが神となる時代――データ教の隆盛と主体性の消失(2020年代)

データが神となる時代――データ教の隆盛と主体性の消失(2020年代)

ユヴァル・ノア・ハラリが『ホモ・デウス』で描く「データ教(Dataism)」とは、情報が意味と価値の中心になる思想である。現代では、自己の判断よりもアルゴリズムの勧めが優先され、YouTubeの動画推薦やスマートデバイスの健康アドバイスなど、日常の選択すら機械に委ねられるようになった。こうした環境では、人間の自由意志や直感は非合理なものとして退けられ、「無用な意識」に堕する危機に晒される。宗教が魂を導いた時代とは異なり、データ教は「完全な情報処理と接続」を至上とする。2020年代のAI・IoT技術の進化やパンデミックによる監視強化は、この流れをさらに加速させた。ハラリは、私たちがデータの神に服従する存在へと変質しつつある現実に警鐘を鳴らしている。

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