Wednesday, February 26, 2025

消えゆく緑、生物たちの悲鳴 - 森林伐採と生物多様性の喪��(1999年6月 - 2025年2月)

消えゆく緑、生物たちの悲鳴 - 森林伐採と生物多様性の喪失(1999年6月 - 2025年2月)

日本の国土の約3分の2は森林で覆われており、この割合は70年以上にわたり維持されている。しかし、特に里山地域では、都市開発や農地転用による森林破壊が進行し、生態系に深刻な影響を与えている。

九州地方の一部では、大規模な伐採により絶滅危惧種の生息地が減少。例えば、屋久島周辺では人工林の管理不足が問題となり、土壌流出の増加や動植物の多様性低下が確認されている。また、東北地方では、戦後の拡大造林政策により単一樹種の人工林が増加し、元来の多様な生態系が失われつつある。

森林伐採の影響は水源にも及び、地表の保水力が低下することで土砂崩れや水害が発生しやすくなっている。さらに、伐採により野生動物の生息域が狭まり、シカやイノシシなどの個体数増加が農作物被害を拡大させる要因となっている。森林の荒廃は、結果的に海の生態系にも影響を与え、河川の森林率が高い地域では、河口のレッドリスト掲載魚種の生息数が増えるという調査結果もある。

国や自治体は、森林再生のための取り組みを進めているが、木材需要の低迷により適切な森林管理が難しくなっている。日本の森林蓄積量は約56億立方メートルに達し、人工林の6割が50年以上経過しているが、管理が追いつかず放置される森が増えている。間伐や植林活動の強化、持続可能な林業の推進が求められており、地域社会との連携が重要な課題となっている。

参考情報
- 森林と生物多様性:日本の森林は国土の約3分の2を占め、70年以上にわたりその割合を維持している。
- 森林生態系多様性基礎調査:平成11年度から5年周期で全国の森林の状態と変化を把握する調査を実施。
- 日本の森林・木材利用の現状:日本の森林蓄積量は約56億立方メートル、人工林の6割が50年以上経過。
- 生物多様性及び生態系サービスの総合評価(2021年):天然林から人工林への転換や二次林の放置により種多様性の変化が顕著。
- 森林と海の生態系の関係:河川の森林率が高い地域ほど、河口のレッドリスト掲載魚種の生息数が多いと判明。
- 生物多様性の現状:人間活動による日本の生物多様性の損失は全ての生態系に及び、今も進行中。

No comments:

Post a Comment