大阪・西天満に灯った未来の光 2003年4月
2003年前後の日本では再生可能エネルギーが社会に浸透し始めた段階で、太陽光発電の普及率は現在より低く、小型風力は実験導入が中心だった。京都議定書批准直後で、CO2削減への取り組みが本格化し、自然エネルギーを都市にどう組み込むかが新しい課題となっていた。
こうした背景の中で、大阪市北区西天満2-5-3のビル屋上に設置された自然エネルギー100パーセントのネオン広告塔は、先進的な試みとして注目を集めた。小型風力機二十六基と太陽光パネル三十九枚を組み合わせ、蓄電した電力のみで点灯する仕組みは都市部では当時画期的だった。風力発電機はゼファー製で、導入企業は環境経営に積極的なリコーである。
点灯開始は二〇〇三年四月十六日。阪神高速や大阪市役所付近からも視認でき、自然エネルギーの存在を都市景観の中で可視化する装置として機能した。天候に左右され点灯しない日もあったが、この気まぐれな点灯こそ自然エネルギーの特徴を市民に伝える役割を果たした。
広告塔が企業広告の枠を超え、都市における環境技術の実証フィールドとなった点は、当時の日本における環境意識の変化を象徴していた。
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