阿蘇広域行政事務組合の決意――火山と共に生きる八町村の循環構想(2002年)
2002年、循環型社会形成推進基本法の施行から2年。日本各地の自治体がごみ減量と資源循環の体制構築に奔走するなか、地方の小規模自治体には、財政・人材の限界と地域の持続性の狭間で揺れる現実があった。
熊本県阿蘇地域に連なる八つの町村――一の宮町、阿蘇町、産山村、波野村、高森町、白水村、久木野村、長陽村――は、阿蘇広域行政事務組合を結成。日量17トンの処理能力を持つ廃棄物リサイクル施設の共同整備を計画した。技術協力は川崎製鉄。単なる焼却ではなく、地域の資源を循環させる施設としての構想が描かれた。
阿蘇の風土を生かし、守るという思想は、単なるインフラ整備の枠を超えていた。観光と農業に支えられる地域経済は、環境保全なくして成り立たない。焼却施設を持つということは、ごみの責任を他所に押し付けないという自治の姿勢でもある。
「阿蘇は阿蘇のやり方で」――この合言葉のもと、八町村は制度に従うだけでなく、火山と共に生きる知恵と誇りで、循環型社会の原型をつくろうとしていた。阿蘇広域行政事務組合は、その静かな決意の結晶である。
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