フロン回収制度の限界と不法放出(2006年9月)
2006年、日本ではエアコンや冷蔵庫などに使われるフロン類の回収制度が整っているように見えていたが、実際には深刻な問題が横たわっていた。家庭用機器は2001年施行の家電リサイクル法により適正処理が義務づけられていたものの、現場では冷媒フロンが回収されず大気中に放出される例が多数。業務用でも2002年のフロン回収・破壊法に基づく義務があったが、不法業者による処理逃れが横行していた。
監視体制の甘さや罰則の軽さ、コストを嫌う事業者の姿勢が、制度の形骸化を招いていた。その結果、大気中にはオゾン層を破壊するCFCや、温室効果が高いHFCが大量に放出され、地球規模の環境問題を引き起こしていた。モントリオール議定書でCFC廃止が国際合意されてからすでに20年近くが経っていたが、制度と現実の乖離は大きかった。
当時の日本は京都議定書の温室効果ガス削減目標の達成が迫る中にあり、CO₂削減ばかりが注目されがちだったが、フロン類もまた見過ごせない存在だった。2015年に施行されたフロン排出抑制法によってようやく制度は再構築されることになるが、2006年当時はまさに制度の隙間に潜む温暖化リスクが放置されていた時代だった。
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