Thursday, December 11, 2025

風を抱く魂の深層-持続がひらく宗教と道徳の源泉(1890年代)ベルクソン「時間と自由」

風を抱く魂の深層-持続がひらく宗教と道徳の源泉(1890年代)ベルクソン「時間と自由」
ベルクソンは時間経験を外的な均質時間と内的な純粋持続に分け後者が宗教性や道徳性の根源になると考えた。外的時間は社会秩序や制度的道徳を支えるが真に道徳的行為は人格の持続が一瞬に凝縮し自由行為として創造的に結晶するときに生まれる。自由は外的因果の結果でも偶然の揺らぎでもなく人格全体の質的状態が生む飛躍でありこの創造性が倫理の核心を形づくる。宗教性も儀礼や教義より内的持続の深まりに支えられ人生を意味のある流れとして感じ世界との連続性を経験するとき自然に生じる。現代の宗教学倫理学神経科学でも道徳判断が単なる規則適用ではなく共感物語的自己長期的自己像など内面の統合に基づくことが示されベルクソンの洞察と重なる。宗教道徳自由はいずれも外的枠ではなく人格の持続が成熟し
て立ち上がる創造的連続の諸相である。

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