影の金庫が語るもの――日本とパナマ文書の静かな断層 ―2016年・日本
2016年、パナマの法律事務所モサック・フォンセカから流出した膨大な内部文書――通称「パナマ文書」は、世界中に衝撃を与えた。約1150万件に及ぶ機密ファイルには、タックスヘイブンを用いた資産隠しや脱税の手法が詳細に記され、日本人や日本企業も多数関与していた。広告大手の電通は英領ヴァージン諸島に法人を設立し、ソニー関係者も個人名義での資産管理が発覚。不動産や商社の元経営者の名も並び、相続対策や投資のための法人設立が行われていた。違法性が即断されるわけではないが、その背後には、資産家と社会との倫理的距離が浮かび上がる。国税庁は追徴課税を実施し、日本社会も富と責任をめぐる問いに直面した。タックスヘイブンは、単なる地図上の抜け穴ではなく、現代の矛盾を映す鏡である。
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