Friday, May 23, 2025

### Facebookの記憶は消えない――五億人の個人情報が晒された春(2021年)

### Facebookの記憶は消えない――五億人の個人情報が晒された春(2021年)

2021年4月、世界最大のSNS・Facebook(現Meta)から、5億3300万人以上の個人情報が流出し、ハッカーフォーラム上に無料で公開されるという衝撃の事件が明らかになった。氏名や電話番号、居住地、勤務先など、極めて個人的な情報が対象となり、世界中のユーザーが不安に陥った。

このデータは実際には2019年にFacebookの「連絡先同期機能」の不備によって収集されたもので、Facebookは「修正済みの古いデータ」と主張したが、「古い」とされる情報でも依然として悪用可能なことに変わりはなかった。

この時代背景として、パンデミックの影響で人々がオンラインに依存する生活に移行していたことがある。SNSは公共空間のような役割を果たしつつあったが、そこに存在するプライバシーの脆弱さは深刻だった。また、2018年のケンブリッジアナリティカ事件以来、Facebookのデータ管理姿勢には批判が根強く、再発防止の努力が不十分であることが浮き彫りになった。

特にEUでは、GDPR違反の可能性を含めてアイルランドのデータ保護委員会が調査を開始。グローバル企業が保持する膨大な個人情報の取り扱いについて、再び世界が注視する契機となった。

一度ネットに流れた情報は「過去」にはならない。Facebookのこの一件は、私たちのデジタルな存在が、いかに回収不能な痕跡を持ちうるかを物語る象徴的事件だった。

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