幻燈の奇才・鈴木清順 ― 昭和五十三年九月二十七日より十月十日まで
鈴木清順(1923年 - 2017年)は、日本映画界に革新をもたらした監督である。1960年代の日活時代に『東京流れ者』『けんかえれじい』などを手がけ、鮮烈な色彩、幻想的な演出、独特のカット割りで映画を詩的な表現へと昇華させた。しかし、実験的すぎる作風が日活の方針と対立し、1967年に『殺しの烙印』を最後に解雇される。その後、商業映画界から離れたものの、彼の作品は欧米の映画監督や批評家から再評価され、1978年には特集上映が開催されるなど、カルト的な人気を誇った。1980年には『ツィゴイネルワイゼン』で映画監督として復帰し、ベルリン国際映画祭で審査員特別賞を受賞。以降も『陽炎座』『夢二』と幻想的な作風を貫いた。クエンティン・タランティーノやデヴィッド・リンチなど、多くの映画監督に影響を与
えた鈴木の映像美は、現在も語り継がれている。
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