電子廃棄物と資源循環の未来 - 2003年1月
電子・電気機器の廃棄物問題は世界的に深刻化しており、各国が対策を進めている。
国連バーゼル条約事務局は、大手携帯電話メーカー10社と協力し、使用済み携帯電話の回収・処理の枠組みを策定。
これにより、電子廃棄物の適正な処理と資源の有効活用を促進することを目的としている。
特に携帯電話に含まれるレアメタルの回収が重要視されており、企業間の協力体制が強化されつつある。
一方、米国はバーゼル条約を未批准のまま、依然として廃電子機器の途上国への輸出を続けている。
多くの中古機器は修理・再利用されるが、不適切な廃棄処理により、有害物質が環境中に漏出する懸念が指摘されている。
EUではWEEE指令(廃電気電子機器指令)を導入し、メーカーに対し、製品の回収とリサイクルの責任を義務付ける動きが進行。
リサイクルの義務化により、電子機器の設計段階からリサイクルしやすい構造への転換が求められている。
また、アジア諸国では独自のリサイクル政策を策定。
日本では家電リサイクル法に基づき、メーカーと自治体が協力して使用済み電子機器の適正処理を行っている。
中国でもリサイクル産業の育成を目指し、電子廃棄物の管理体制を強化。
今後、国際的なルール整備と技術革新が進む中、環境負荷を低減しつつ資源循環型社会の形成が求められている。
関連情報:
- バーゼル条約における電子廃棄物の越境移動に関する国際的な動向
- EUのWEEE指令とその国内法制化状況
- 日本の資源循環政策の現状と課題
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