河川汚染 - 愛知県矢作川・瀬戸内海 - 1998年5月
1998年5月、日本各地の河川で汚染が進行しており、特に工業地帯に隣接する河川で深刻な状況が報告されています。愛知県の矢作川では、金属精錬を行う企業が排出する排水に含まれるカドミウムや鉛が原因で、水質汚染が発生。近隣住民の健康被害や農作物への影響が懸念されています。この地域では、特に住友金属鉱山などの大手企業が関与しているとされ、地域住民による環境改善要求が高まっています。
さらに、瀬戸内海に流入する河川では、化学工場から排出されるPCB(ポリ塩化ビフェニル)が原因で、魚介類に蓄積し、生態系全体に悪影響を及ぼしています。三井化学や昭和電工といった化学企業が操業する地域では、PCBが長年にわたり環境中に残留し、河川や沿岸域の汚染が拡大しています。
都市部においても、河川汚染の原因として生活排水が大きな問題となっています。例えば、東京都の荒川では、家庭や商業施設からの排水が下水処理を経ずに流れ込み、BOD(生物化学的酸素要求量)の値が基準値を大幅に超え、富栄養化が進行しています。これにより藻類が大量発生し、酸欠状態による魚類の大量死が頻発しています。
政府は1998年から全国的な水質改善計画を実施し、下水処理施設の整備や排水規制の強化を進めています。特に、瀬戸内海地域では、工業排水に対する規制を強化し、排水基準をより厳格に設定していますが、違法排水や不適切な処理が続いていることが問題視されています。
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