Monday, September 30, 2024

マイクロプラスチック汚染の現状 - 2020年代

マイクロプラスチック汚染の現状 - 2020年代

2020年代において、マイクロプラスチック汚染が深刻化しています。マイクロプラスチックとは、5ミリメートル以下の非常に小さなプラスチック片であり、河川や海洋を汚染しています。特に、東京湾や大阪湾に流れ込む河川では、1立方メートルあたり5000個以上のマイクロプラスチックが検出されました。これらのプラスチック片は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの合成素材が原因で発生しており、包装材やプラスチック容器、家庭用品からの排水に含まれています。

東京都荒川や多摩川では、生活排水や企業排水が原因でマイクロプラスチックが大量に流れ込んでいます。特に、日用品メーカーの排水や、合成繊維を含む衣類の洗濯水が主な汚染源です。例えば、ユニクロなどの大手衣料メーカーが提供するポリエステルやナイロン製の衣類は、洗濯のたびに数千個のプラスチック繊維を放出します。これにより、河川に流入するマイクロプラスチックが急増し、浄化が難しい状況となっています。

また、マイクロプラスチックの流入は食物連鎖にも悪影響を及ぼしています。例えば、瀬戸内海での調査では、魚介類の30%以上がマイクロプラスチックを摂取していることが確認されています。これは、神戸大学や愛媛大学などの研究機関が実施した調査に基づいており、海洋生態系に深刻な影響を及ぼしていることが明らかになっています。

国際的には、欧州連合(EU)がマイクロプラスチックの規制を強化し、特にプラスチック製の化粧品や洗顔料に含まれるマイクロビーズの使用を禁止しています。アメリカでも同様に、2015年のマイクロビーズ規制法により、製品内のマイクロプラスチックが規制されました。

日本では、2021年に施行されたプラスチック資源循環促進法に基づき、企業や自治体はプラスチックごみの削減に取り組んでいます。具体的には、花王や資生堂などの大手化粧品メーカーが、プラスチックマイクロビーズの使用を廃止し、代替素材の開発を進めています。

No comments:

Post a Comment