Thursday, March 13, 2025

### 斎場の凶弾 ― 東京都葛飾区・2001年8月から2003年1月の抗争記

### 斎場の凶弾 ― 東京都葛飾区・2001年8月から2003年1月の抗争記

2001年8月15日、東京都葛飾区の四ツ木斎場で、住吉会向後睦会の会長・熊川邦男の通夜中に稲川会系大前田一家の幹部二名が忍び込み、熊川と住吉会滝野川一家総長・遠藤浩司を射殺する事件が発生した。暴力団の不文律である「義理事」では敵対行為を行わないという掟を破ったため、この事件は「仁義外れ」と断じられた。事件後、稲川会は関与した組員の処分を決断し、住吉会との手打ちが試みられたが、組織内部には不満がくすぶり、抗争の火種となった。

また、住吉会傘下の向後睦会は新宿・歌舞伎町を拠点に強大な影響力を持つ一方、幕末の侠客・大前田栄五郎を祖とする大前田一家は稲川会の主要組織として暗躍していた。約1年半後の2003年1月25日、群馬県前橋市で、住吉会系組員による報復が実行され、大前田一家関係のスナックが襲撃され、一般人も巻き込む惨事となる。こうして、斎場での凶弾は暴力団抗争の激化と、組織間の亀裂を象徴する事件として歴史に刻まれた。

No comments:

Post a Comment