2024年9月13日金曜日

世界で最も汚染された10地域 - 2020年代の現状

最も汚染された10地域 - 2020年代の現状

2020年代に入っても、最も汚染された地域の状況は依然深刻です。以下に、特に注目すべき地域の現状を詳述します。

インドのヴァビ
ヴァビの産業廃棄物処理の問題は今も解決しておらず、依然として鉛やカドミウム、六価クロムによる水質汚染が続いています。特に、化学工場からの有害物質の排出は依然として大きな問題で、住民の健康被害は増加傾向にあります。2020年代の調査によると、汚染物質濃度は許容基準を数十倍上回っており、がんや皮膚疾患が多発しています。

ロシアのチェリャビンスク
チェリャビンスクの核汚染は依然として解決されていません。放射性物質であるセシウム137やストロンチウム90の汚染が進行しており、土壌や地下水に高濃度で残留しています。2020年代の報告では、周辺住民の放射線被ばくレベルは依然として高く、長期的な健康リスクが指摘されています。

ペルーのラ・オロヤ
米国企業ドーランが運営するラ・オロヤの金属精錬所は、2020年代に入っても依然として鉛やヒ素を大気中に放出しています。住民の血液中の鉛濃度は依然として高く、特に子供たちが深刻な健康被害に苦しんでいます。2020年の調査では、子供の約90%が鉛中毒にかかっていると報告されました。

中国の天津
天津では、2020年代でも急速な工業化が進行中で、依然として二酸化硫黄や窒素酸化物が大気を汚染しています。特に石油化学工場からの排出が深刻であり、中国政府は大気汚染の抑制に取り組んでいるものの、都市部の汚染物質濃度は基準値を超えています。PM2.5の濃度が高く、呼吸器疾患の患者数が増加しています。

ザンビアのカブウェ
鉛鉱山があるカブウェでは、鉛汚染が依然として深刻です。鉛の土壌中濃度は依然として非常に高く、2020年代の調査でも住民の血液中の鉛濃度は基準を大幅に超えています。特に子供たちは神経系の発達に影響を受けており、神経疾患や行動障害が多発しています。

バングラデシュのハザーリバーグ
ハザーリバーグは、皮革産業の中心地であり、2020年代でもその状況は悪化しています。ここでは、多くの皮革工場がクロムなどの有害化学物質を適切な処理なしに川に放出しており、これが水質汚染と健康問題を引き起こしています。特に、六価クロムは発がん性があり、地域住民の間で皮膚病や肺疾患が増加しています。2020年の報告では、川の水質は基準を数百倍超える汚染が確認されており、住民への健康被害が深刻です。企業による対策は遅れており、環境改善は進んでいません。

ナイジェリアのオゴニランド
オゴニランドは、石油採掘が行われている地域で、長年にわたる油漏れによる環境汚染が深刻です。2020年代でも、シェルなどの石油企業による油漏れが続いており、石油汚染による土壌汚染や水質汚染が深刻です。ナイジェリア政府や国際機関が対策を進めていますが、汚染地域の回復には数十年かかる見通しです。飲料水の汚染も問題で、住民は健康被害に苦しんでおり、特に子供たちは呼吸器系の疾患や皮膚病が増加しています。

インドネシアのチタルム川
チタルム川は、世界で最も汚染された川の1つとして知られています。特に2020年代に入っても、工場排水や家庭ごみが原因で水質汚染が深刻化しています。主に繊維産業による鉛やカドミウムなどの有害金属が大量に川に流されており、住民の飲料水が汚染されています。WHOの基準値を大幅に上回るレベルで、有害化学物質が検出されています。特に農業用水としても使われているため、作物や食物連鎖を通じて人体にも深刻な影響を与えています。

ガーナのアグボグブロシー
アグボグブロシーは、世界最大の電子廃棄物の集積地として有名で、2020年代に入っても状況は改善されていません。西洋諸国から違法に輸出された電子廃棄物が集まり、リサイクルされずに野焼きされています。この過程で鉛や水銀などの有害物質が放出され、空気や土壌を汚染しています。現地では、廃棄物を手作業で処理する労働者が多く、特に子供や若者が健康リスクにさらされています。大気汚染が進み、呼吸器疾患や発がんリスクが高まっているのが現状です。

メキシコのメキシコシティ
メキシコシティは、2020年代に入っても大気汚染が深刻な問題となっています。特に自動車の排ガスや工場からの**二酸化窒素(NO2)や二酸化硫黄(SO2)**が主要な汚染物質として挙げられ、PM2.5濃度も危険レベルに達しています。特に乾季には、大気中の汚染物質が都市全体を覆い、住民の呼吸器系や循環器系への影響が深刻化しています。政府は環境対策を強化していますが、人口が多く、自動車依存が高いため、根本的な解決には至っていません。

これらの地域では、汚染が健康に大きな影響を与えており、特に子供や貧困層が最も深刻な被害を受けています。政府や企業による対策が急務ですが、技術的・経済的な課題が依然として多く、解決には時間がかかるとされています。

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