名刀「大包平」とその名工・包平 ― 平安時代末期の傑作

名刀「大包平」とその名工・包平 ― 平安時代末期の傑作

平安時代末期、備前国（現在の岡山県）で活躍した刀工・包平は、その卓越した技術で知られています。彼の作品の中でも特に有名なのが、「大包平（おおかねひら）」と呼ばれる太刀です。

「大包平」は、その名の通り、包平の作品の中でも特に大きく、全長約892センチメートル、反り35センチメートルの堂々たる姿を持ちます。この刀は、鎬造り、庵棟、猪首鋒といった特徴を持ち、身幅が広く、高い腰反りがあり、踏ん張りの効いた姿が印象的です。表裏には棒樋が刻まれ、茎には「備前国包平作」の銘が刻まれています。通常、包平の作品には「包平」の二文字のみが刻まれることが多い中で、六文字の銘が刻まれていることから、この刀が特別な作品であることが窺えます。

この名刀は、江戸時代には岡山藩主・池田家に伝わり、特に池田輝政が愛用したとされています。その後、池田家に代々受け継がれ、昭和42年（1967年）に日本政府が6500万円で購入し、現在は東京国立博物館に所蔵されています。

「大包平」は、その優れた技術と美しさから、「日本刀の最高傑作」と称され、童子切安綱と並び「日本刀の東西横綱」とも評されています。その雄壮な姿と歴史的背景から、多くの刀剣愛好家や研究者にとって特別な存在となっています。

また、近年ではオンラインゲーム『刀剣乱舞』において、「大包平」を擬人化したキャラクターが登場し、若い世代にもその名が広く知られるようになりました。このキャラクターは、自身を「刀剣の横綱」と称し、天下五剣の一つである童子切安綱をライバル視する設定となっています。

関連情報
- 国立博物館所蔵情報：「大包平」は東京国立博物館に所蔵されており、詳細情報は国立博物館の公式サイトで確認可能。
- 刀剣乱舞における「大包平」：『刀剣乱舞』に登場する「大包平」のキャラクター設定については、ゲームの公式サイトや関連情報を参照。