最も汚染された10地域 - 2007年10月
米国の環境NPOブラックスミス研究所の報告では、世界で最も汚染された10地域が公表されました。その中には、インドのヴァビ、ロシアのチェリャビンスク、ペルーのラ・オロヤ、中国の天津、ザンビアのカブウェが含まれています。これらの地域には、鉛、カドミウム、六価クロム、ヒ素、二酸化硫黄などの有害物質が大量に存在し、特に鉛中毒や肺疾患が深刻です。
1. インドのヴァビ
ヴァビは、産業廃棄物の不適切な処理が進行しており、特に化学工場からの排水が原因で、鉛、カドミウム、六価クロムなどの有害物質が川や地下水を汚染しています。これにより、周辺住民の間で皮膚疾患や癌が多発しています。
2. ロシアのチェリャビンスク
チェリャビンスクは、旧ソビエト連邦時代からの重工業地帯であり、特に核関連施設による放射性物質汚染が深刻です。放射性物質セシウム137やストロンチウム90が土壌や水源に蓄積し、長年にわたり住民の健康に影響を及ぼしています。
3. ペルーのラ・オロヤ
ラ・オロヤでは、金属精錬所の操業により、鉛やヒ素が大気中に排出されています。米国の企業「ドーラン」が所有するこの精錬所は、長年環境対策が不十分であったため、地域住民の血液中の鉛濃度が高いことが報告されています。特に子供たちへの影響が大きく、神経障害や発育不全が確認されています。
4. 中国の天津
天津は、急速な工業化に伴い、二酸化硫黄や窒素酸化物による大気汚染が深刻です。特に化学工場からの排出物が大気中に拡散し、ぜん息や肺疾患を引き起こしています。中国政府は対策を強化しているものの、人口が集中しているため、汚染の影響が広範囲に及んでいます。
5. ザンビアのカブウェ
カブウェは、鉱業活動による鉛汚染が問題となっており、特に鉛鉱山の近くでは、土壌や水源に鉛が大量に含まれています。住民の血液中の鉛濃度が極めて高く、特に子供たちが神経系疾患に苦しんでいる状況です。
これらの地域では、合計で約1,200万人が鉛中毒や呼吸器疾患、発育障害などのリスクにさらされています。各国政府や国際機関が対策に乗り出しているものの、資金不足や技術力の欠如、企業の環境対策の遅れが問題を深刻化させています。
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