Thursday, September 12, 2024

中国国家発展計画委員会の環境破壊対策 - 1999年6月

中国国家発展計画委員会の環境破壊対策 - 1999年6月

中国国家発展計画委員会は、急速な工業化と都市化に伴う深刻な環境破壊への対応として、環境保護産業を新興産業として重点的に育成する政策を打ち出しました。この計画の目標として、2010年までに都市汚水再利用率を30〜40%に引き上げるとともに、都市ごみの無害化処理率を50%にすることが掲げられています。特に、北京市や上海市、広州市といった大都市では、汚染水の再生利用施設や焼却施設の新設が計画されています。

北京では、大気汚染が大きな課題となっており、石炭に代わるクリーンエネルギーへの転換が進められています。具体的には、天然ガスや風力発電の導入が進んでおり、これによりCO2排出量の削減を目指しています。また、上海市では、都市廃水の再利用施設が強化され、年間20億立方メートルの廃水が浄化・再利用される予定です。

さらに、中国の鉄鋼業大手である宝山鋼鉄(Baosteel)は、工場から排出される産業廃棄物の再利用に力を入れています。宝山鋼鉄では、高炉スラグや製鋼スラグを再生資源として活用し、年間100万トン以上のスラグを建材として再利用することを目標としています。こうした取り組みにより、都市部での廃棄物処理の負担軽減が期待されています。

珍しい点として、中国では各都市ごとに異なる環境問題に対応するため、中央政府と地方政府が連携し、それぞれの地域の特徴に応じた対策が講じられていることが挙げられます。例えば、広州市では、地下水の枯渇を防ぐため、雨水の再利用や地下水の保全が重視されており、地方独自の政策が導入されています。

中国全土で進められているこれらの対策は、特に大規模な都市インフラ整備が進行している点が他国にない特徴であり、環境保護と経済成長を両立させるための一貫した政策が取られていることが注目されています。

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