2024年9月12日木曜日

アークプラズマ方式によるフロン無害化技術 - 1998年10月

アークプラズマ方式によるフロン無害化技術 - 1998年10月

アークプラズマ方式を使用したフロン無害化装置は、従来の処理方法に比べて非常に高温なアークプラズマを利用し、フロンガスを効率的に分解する技術です。冷媒やエアコン、冷凍機などに広く使用されていたCFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)などのフロンガスは、オゾン層を破壊し、地球温暖化を引き起こす温室効果ガスとして、世界中で規制の対象となっています。この技術は、特に日本国内の企業である住友重機械工業が開発を進め、千葉県にある処理施設に導入されています。

アークプラズマは通常5000度を超える超高温を生成し、この温度でフロンガスの分子結合を完全に分解します。これにより、生成される副産物はフッ素ガスなどの無害なガスに変わり、従来の化学処理や低温焼却法に比べて大気中への有害物質の放出が抑えられます。また、処理能力は1時間あたり約1000kgのフロンガスを処理でき、東京都と神奈川県の廃棄処理施設でも採用が進んでいます。

珍しい点としては、この技術がフロンガスを含む有害物質を高温で完全に分解できる点です。従来の処理方法では、副生成物として有害な物質が発生する可能性がありましたが、アークプラズマを使用することでそれがほぼゼロに抑えられることが革新的です。また、同技術は東京都の一部施設に試験導入され、2010年までに全国的に普及する計画が立てられていました。

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