福岡県カネミ油症事件によるPCB問題
1968年に発生した福岡県を中心としたカネミ油症事件は、日本におけるPCB(ポリ塩化ビフェニル)の危険性を広く認識させる出来事でした。カネミ倉庫株式会社が製造した米ぬか油に、PCBを含む熱媒体「カネクロール」が混入し、約1万4千人が油症と呼ばれる中毒症状を発症。発疹、倦怠感、肝機能障害などの深刻な健康被害が報告されました。事件後、日本政府は1972年にPCBの製造・使用を禁止しましたが、約4万トンものPCBが国内に残留し、未処理のまま保管されています。PCBは分解に100年以上かかるため、環境への影響が懸念されています。現在は、高温焼却処理による無害化が進められていますが、ダイオキシン発生の問題もあり、処理施設の整備は遅れています。2027年までに全廃が計画されています。
No comments:
Post a Comment