2024年9月7日土曜日

北京市郊外の産業廃棄物問題と政府の対応 - 2021年

北京市郊外の産業廃棄物問題と政府の対応 - 2021年

2020年代における北京市郊外の産業廃棄物問題は依然として深刻です。北京市を取り巻く河北省の都市、例えば唐山市や廊坊市では、工業が盛んな地域であり、鉄鋼業や化学産業による産業廃棄物の不法投棄が頻繁に報告されています。これらの地域には、唐山鋼鉄集団や河北鋼鉄集団といった大手企業が存在し、廃棄物管理の不備が指摘されています。

特に2021年には、廊坊市で約1500トンの有毒廃棄物が違法に投棄された事件が発生しました。廃棄物には鉛、カドミウム、ヒ素といった重金属が含まれており、これらは土壌や水質に深刻な影響を与えています。この事件は周辺の農地や飲料水供給に直接的な被害をもたらし、環境や住民の健康に深刻な脅威となりました。

加えて、北京市周辺では、プラスチック廃棄物や電子廃棄物(E-waste)も適切に処理されておらず、2022年には、華北電子リサイクル企業連盟が300トン以上の電子廃棄物を不法投棄したとして罰金を科されました。

これらの事態に対して、中国政府は2021年に「固体廃棄物汚染防止法」を施行し、不法投棄を行った企業に対して厳しい罰金を科す措置を導入しました。この法律に基づき、企業には最大で500万元(約7,500万円)の罰金が科される場合があり、環境修復義務も強化されています。また、北京市内では、廃棄物の輸入や処理についても管理を強化し、不法な廃棄物取引に対して厳しい監視が行われています。

このように、2020年代における北京市郊外の産業廃棄物問題は、依然として地域社会に大きな影響を与えており、中国政府と地元企業の協力による改善が急務となっています。

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