SPMによる健康被害-1998年4月
浮遊粒子状物質(SPM)は、大気中に浮遊する微小な粒子であり、主に工業活動や化石燃料の燃焼によって発生します。これらの粒子は、PM2.5やPM10などの大きさに分類され、そのサイズによって健康への影響が異なります。特にPM2.5は、非常に小さいため呼吸器から肺の奥深くまで入り込みやすく、健康被害を引き起こすリスクが高いとされています。
世界的な健康影響評価によると、2020年までにSPMによる乳児の死亡者数が140万人に達すると予測されています。特に、アフリカ、インド、中国などの発展途上国では、大気汚染が深刻な問題となっており、石炭の燃焼や交通機関の排出ガスが主要な原因とされています。これらの地域では、PM2.5の濃度が高いため、呼吸器系疾患や心血管系疾患の発症リスクが増大しています。
また、SPMの影響は短期的な健康被害に留まらず、長期的には慢性疾患のリスクを高め、さらには早期死亡につながる可能性があります。特に、子供や高齢者などの免疫力が低い層において、その影響が顕著です。さらに、発展途上国では、医療インフラが不十分であるため、SPMによる健康被害がより深刻化する傾向があります。
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