疾風怒涛の政界航路 ― ��中角栄の光と影 1970-1976

疾風怒涛の政界航路 ― 田中角栄の光と影 1970-1976

田中角栄は、1970年代の日本政治において異色の存在だった。官僚出身ではなく、独自の決断力と実行力を武器に政界を駆け上がり、「コンピューター付きブルドacーザー」と呼ばれた。1972年には日中国交正常化を迅速に実現し、地方経済の活性化を掲げた「日本列島改造論」で国民の支持を得た。しかし、その裏では派閥政治と金権体質が色濃く、目白の豪邸や企業との癒着が批判を招いた。1974年に首相を辞任後も影響力を保持していたが、1976年のロッキード事件で巨額の賄賂疑惑が発覚し、逮捕される。絶頂から転落した彼の政治手法は、その後の日本政治にも影響を与え、派閥政治の原型を作った。田中角栄は、日本政治の発展に貢献した一方で、金権政治の象徴としても語り継がれている。英雄か、時代の産物か。その評価は今なお分かれる。