2018年11月23日金曜日

水産庁の漁船活用型 地球環境モニタリング事業 1998.11.15

水産庁にはこれまで一般にはにはまったくといっていいほどど知られてないが、世界的にも貴重な資料ががる。水産庁の委託を受けた海洋水産資源開発センターが92~97年までの5年間、 総額6億8200万9000円をかけて取り組んだ 「漁船活用型地球環境モニタリング事業」 の成果をまとめたもので、 わずか18頁ながら地球規模の化学物質汚染の実態を世界でも初めて明らかにした。 水産庁、漁業団体、大学・国立の研究機構、分析機関の密接な連携による大規模な調査で、世界の海を縦横無尽に航海できる海洋マクロ漁船の協力により これまで飼料の確保が困難だった外洋海域も含めた世界各地の海水や大気、プラスティック類を摂取。調査対象は外洋の大気や海水中の有機塩素化合物(ヘキサクロロシクロキサ、クロルデン、ヘキサクロロべンゼン、および海面に浮かんだプラスチック類て、 延べ108隻の漁船・官公庁船を投入し、大気613検体、海水104検体、プラスティック類541検体を収集した。 対象とした有機塩素化合物は極めて低濃度で環境中に存在しているため精度の高い機器を利用。JISなどの公定法では検出できない濃度でも測定できる分析技術によって、 ピコグラム (ー兆分のーグラム) レベルまで測定。 海水中濃度はいずれの物質も米国の環境保護局(EPA)による「水浄化法」の基準を大き下回る。 極微量でも作用する可能性のある環境ホルモンだけで安心はできない。濃縮の度合いは食物連鎖の上に行くほど高くなり、実際に汚染とは無縁のはずの北極のシロクマの体内からも高濃度で検出されているのだ。