2018年11月21日水曜日

太陽、発電だけではない。熱利用も考える。

太陽は、光だけでなく太陽熱の利用を考える 。

●太陽の熱利用の温水器 再生可能なエネルギー(自然エネルギー)の代表格は、太陽光を利用した太陽光発電。 そこから得られた電力を全量買い取ってくれる制度が追い風となって、近年太陽発電 は急速に普及・拡大した。これからも太陽光発電は再生可能なエネルギーのトップ ランナーとして走り続けるだろう。 この太陽光を電気変換する方法に対して、太陽の熱を利用したエネルギー利用が再び 注目を浴びている。太陽熱を集熱器等で集め、温水や暖房の熱源として利用しようと するものだ。例えば給湯に使った場合、エネルギー変換効率(集熱効率)は40%以上 で、10%台の変換効率の太陽光と比べて断然高いパワーを持っている。

●利用施設が増大の可能性十分 太陽熱温水器で給湯すれば、夏場なら60℃以上の温水が得られるスグレものだ。標準 的な太陽熱温水器(集熱器面積6㎡、蓄熱漕300㍑)なら一般家庭が一年間に給湯で消費 するエネルギーを約95%(灯油換算で約455㍑)も削減可能なのだ。 考えてみれば電気や灯油等を使って水を温水に変えて使う事業所は少なくない。ゴルフ 場、スポーツ施設、老人介護施設等は、温水を風呂・シャワーや給湯等に使い、他の照 明やエアコン等のエネルギー消費よりも圧倒的に多いのだ。つまり太陽熱温水器の方が 省エネであり、エネルギーコストが低減につながるというわけだ。

●夏場の冷房にも使える 太陽熱を集める集熱器には、水に蓄熱する水式、空気に蓄える空気式に大別できるが、 水式は既存施設にへの後付けが可能であり、一方建物一体型の空気式は暖めた空気を 直接暖房に利用できるメリットがある。加えて熱利用と集熱の時間帯のズレで生じる熱 需要バランスを平準化させるための蓄熱漕や貯湯漕、熱交換器、ボイラー等の組み合わ せで給湯や暖房を行い、さらに余熱を化学的に変換して夏場の冷房も可能となる。

●脱原発の有望産業として注目 太陽熱利用は1979年の第二次オイルショックによる原油価格の高騰の影響を受け、当時 は需要が増加したものの、その後の原油価格の鎮静化等によって1980年頃をピークに減 少の一途をたどる。が、東日本大震災・福島原発事故に因る脱原発、地球温暖化対策の 有効手段、また有望産業として再び注目を浴びつつある。